日々の出来事

リハビリテーションにおける家族援助

朝晩の冷え込みが強くなってきましたね。12月も目前に迫ってきて、いよいよ冬が近づいてきているのを感じます。
皆様は体調など崩されてはいませんか?
 

さて、これまで4回に渡り、リハビリを必要とする症状とその看護についてお送りしてまいりましたが、今回は少し視点を変えて、ご家族様への支援や援助といった内容でお話させていただきたいと思います。
 

病気や怪我等によってリハビリが必要な状態になった場合、患者様ご本人はもちろんですが、そのご家族様もまた、大きな不安を抱えてしまうことと思います。
障害が残ってしまうのだろうか?今までの生活に戻れるのだろうか?お金はどれくらいかかるのだろう?……等々。
そういったご家族様の不安に対して、私達回復期リハビリテーション病棟は専門職のチームとして、サポートをさせていただきます。

 

病気・怪我等に関する医療的な内容は、担当医よりご説明させていただきます。入院時・面談時以外でも、患者様の状態に変化があった時等には、都度ご説明をさせていただきます。
 

介護保険等の社会福祉サービス・公共サービス、ケアマネジャーとの連携やかかりつけ医の調整等、各種サービスに関わる内容は医療ソーシャルワーカー(MSW)がご相談にのります。
MSWに関しては、過去のブログで詳しくご紹介していますので、そちらもご覧ください。
リハビリテーション病棟におけるMSW(医療ソーシャルワーカー)の仕事
 

具体的なリハビリの内容などに関しては、担当のセラピストよりご説明させていただきます。
身体の補助具等、今後の生活を送るうえで必要となる用品に関しても、必要に応じてご案内を致します。
こちらも過去のブログで詳しくご紹介していますので、ご覧ください。
回復期リハビリテーション病棟におけるリハビリスタッフの仕事
 

入院中の療養生活に関する内容は、病棟の看護師が対応、ご説明させていただきます。
病棟の看護師は、一番患者様と触れている時間が長く、また近いところに居ますので、患者様がどのように療養生活を過ごされているのか、そしてそこから見えてくる課題等についてのご質問にお答えすることが出来ます。

 

入院時には、これら病院の各職種スタッフによりご家族様と面談をさせていただき、患者様がどのような状態なのか、これからどの様にリハビリをしていくのか、というお話をさせていただきます。
 

そして、月に1度程度の頻度で再び面談をさせていただきます。この場では、現在のリハビリの進行具合から、退院に向けてどの程度回復が見込めるのか、今後何が必要になってくるのか等をお話させていただきます。
退院先の方向性で、患者様とご家族様の間で意見が合わなくなってしまうこともありますが、出来る限り患者様・ご家族様双方がご納得いただける形で退院が出来るよう、サポート致します。
 

ご自宅へ帰る事を目標とする患者様に対しては、家屋調査を行います。
患者様・担当セラピスト・看護師で実際にご自宅へ伺い、日常生活を送るうえでどのような物が必要となるか、障害となる箇所はあるかといった事を確認します。
 

退院後に血糖値測定やインスリン注射等の医療的行為が必要となる場合や、車椅子への移乗やオムツ交換等の介護が必要となる患者様は、退院後にご家族様にもご協力いただく事があります。
患者様と、介護されるご家族様の双方が、不安なく退院後の生活にスムーズに入っていけるように、退院前に家族指導を行い、スタッフと一緒に手技の獲得に向けて練習をしていきます。
(家屋調査・家族指導については、来月以降ブログでご紹介していきます。)

 

患者様のリハビリを円滑に進めていく上で、ご家族様の協力は大変重要なものとなります。
ご家族様の不安や悩みに対して、私達がしっかりとサポートをさせていただきたいと思います。
お悩みのことがございましたら、どうぞいつでもご相談ください。

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感覚器系の障害とリハビリ看護

木々の色づきに秋の深まりを感じる頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は『感覚器系の障害とリハビリ看護』についてお話をします。

 

皆さんは「感覚器」をご存知でしょうか?

感覚器には、視覚器(眼)、嗅覚器(鼻)、平衡聴覚器(耳)、味覚器(舌)、触覚器(皮膚)があり五感器と呼ばれています。感覚器で受けた外界の刺激は、求心性神経を伝わり、大脳の中枢に達し、そこで感覚が認識されます。すなわち、音がわかり、味を知り、痛みを感じることができます。このように感覚が生じるためには、以下の3つの要素が必要です。

 

第1に刺激を感受する感覚器

第2に刺激を大脳の中枢に伝える求心性神経

第3に認識する大脳の知覚中枢

このうちどこか1つでも障害があると、感覚は起こりません。

 

 

今回は、脳血管疾患による発症が原因で、視覚や聴覚などの個々の感覚には異常はありませんが、物などの対象を正しく認識することができなくなる「失認」に焦点を当ててお話をしていきたいと思います。

 

失認には・・・・

見えているのに何かわからない→視覚失認

聞こえているのに何かわからない→聴覚失認

触っているのに何かわからない→触覚失認

身体部位の関係がわからない→身体失認

自己の病態がわからない→病態失認 空間認知の障害

・・・・の6つの種類があります。

 

その中でも半側空間無視は、脳血管障害の後遺症である高次脳機能障害の症状のひとつです。

例えば、食事時に皿の半分を残す、歩行時に無視側がぶつかるなど、傷害された脳の病巣と反対側に提示された視覚、触覚、聴覚の刺激に気づかず、注意や反応ができない状態を言います。

 

回復期リハビリテーション病棟には、脳血管障害後の後遺症である代表的な麻痺やしびれの残存だけでなく、機能に障害を残す高次脳機能障害といった患者様も入院されています。

そのような患者様へのアプローチとしては、食事の際、食べ物がすべて視野に入りやすいように、配膳の際は空間無視と反対側へ配置をおこない、食器は横に広げて並べるのではなく、縦に並べるなど工夫をします。

また、歩行時に無視側へ寄ってしまい、障害物にぶつからないよう、付き添い歩行の際に、障害物がわかるような声かけをしています。車椅子生活の方には、無視側のブレーキ操作が行えるように、ブレーキ延長棒を取り付け、操作を忘れないよう声かけなどの対応をしています。

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一人一人の患者様が、退院後も安心して日常生活が送られるように、入院中からリハビリスタッフ等と情報交換や相談し合い、その人にあったリハビリや看護を提供できるよう日々心がけています。

 

秋も深まり朝晩冷え込んで参りました。インフルエンザを始めとする感染症には気を付けなければならない季節になってきました。新型コロナウイルス対策も引き続き行い、お風邪などお召しになりませんように、くれぐれもご自愛ください。

次回11月は「リハビリテーションにおける家族看護とは」です。お楽しみに!

呼吸器系疾患と循環器系疾患のリハビリテーションと看護

 

暑さもおさまり虫の音にも深まる秋を感じる頃となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
気温の変化で体調を崩しやすい時期でありますが、患者様は元気にリハビリに励んでおります(*^^*)

さて今月は、呼吸・循環器系の障害とリハビリ看護についてお話をします。

4階回復期病棟では、脳卒中後と骨折後の患者様が多くを占めていますが、肺炎後のリハビリを目的に入院される方も中にはいらっしゃいます。

最近では新型コロナウイルス感染後の廃用症候群(体力が低下しており身体の運動機能が落ちている状態)の方も入院されます。または、肺炎でなくとも既往で不整脈や心不全、慢性閉塞性肺疾患といった病気を抱えている方も多くいらっしゃいます。

そういった患者様に対しどのようなリハビリや看護を行っているかを紹介したいと思います。

 

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【呼吸器疾患をお持ちの患者様】

ちょっとした動きで呼吸が苦しくなったりすると人は身体を動かすことがおっくうになってしまいます。そうすると呼吸に大切な肩や胸、腹部の筋肉が低下してしまい、呼吸がしづらくなり更なる悪循環に陥ることになります。

そのため、血圧や呼吸状態を確認しながら、なるべくベッドから離れて生活が出来るようリハビリを行っていきます。
『苦しくなるのが怖い』といった精神面も考慮したケアも忘れずに、必要時は主治医と相談し、酸素や薬を使って治療を行います。

患者さんの血圧や呼吸の状態をみながら最初はベッドから離れて過ごし、少しずつ歩行や階段、着替えや入浴など生活動作のリハビリを行うようにしています。

 

【循環器疾患をお持ちの患者様】

入院患者様の中でも高血圧、不整脈、心不全などの循環器疾患をお持ちの方は多数いらっしゃいます。リハビリで心臓や血管に負担をかけることが多いため、リハビリ前、途中、終了時に血圧や脈拍を測ったり、気分が悪くないか確認しながら行っています。
特に心臓に負担がかかりやすい人は医師に確認しながら、〇分間起きて車椅子に座る、などの細かい目標を作り介入しています。

血圧や脈拍が高かったり何か変化があった際は看護師に報告してもらい、必要時は医師の診察や薬の処方も行います。

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呼吸器疾患、循環器疾患の患者様のリハビリ看護について簡単ではありますがお話させていただきました。

 

どのような患者様に対してもリハビリ時は常に患者様の様子、血圧・呼吸・脈等を確認しながら介入しており、安心・安全にリハビリが行えるよう心がけています。
リハビリでの様子、病棟生活の様子について医師、看護師、リハビリスタッフ等で情報交換を行い、協力して患者様が少しずつ元の生活を送ることが出来るように支援しています。

 

次回10月は感覚器系の障害とリハビリ看護です。お楽しみに(^^)/

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コロナ禍における余暇活動の取り組み

こんにちは。
コロナ禍で感染対策を強いられる中、いかがお過ごしですか。

当院でもコロナ禍が続く中、入院中の患者様は、外出、外泊、面会が制限されております。また、院内レクリエーションも自粛されており、入院中における余暇活動の未充足を余儀なくされております。

院内ワークアウトチームでは、4階病棟(回復期リハビリテーション病棟)入院患者様に、少しでも余暇時間の充足をして頂きたいと考えました。余暇活動の内容として、病棟談話室に、リハビリ器具の設置、塗り絵、数独、ロジック、迷路、ビーズアクセサリー制作材料を設置致しました。

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クロスワードや塗り絵等は、新しいものを適宜更新しております。
実際、余暇時間に実施して頂いた、患者様からもご好評を頂いております。

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今後もコロナ禍の影響が続くかと思いますが、当院では、患者様に、少しでも快適な入院生活が送れますよう、今後も様々な取り組みを検討して参ります。

上尾中央第二病院 ワークアウトチーム

運動器系の障害とリハビリ看護

梅雨も終わり、夏の日差しがまぶしい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

回復期リハビリテーション病棟は、脳血管障害や骨折の手術などのため急性期で治療を受けて、病状が安定しはじめた発症から1~2か月後の状態の時期に、集中的なリハビリを受けることで、低下した能力を再び回復するための病棟です。入院期間は疾患により決まっていますが、患者さま一人ひとりのリハビリテーションプログラムに基づいて、医療チーム一丸となり、医療看護を提供させていただいています。

今回は、運動器系の障害とリハビリ看護についてご紹介いたします。リハビリ病棟に入院される運動器の障害で最も多いのは大腿骨の骨折です。運動器と聞くと難しく感じるかもしれませんが、具体的には身体の運動に関わる、骨、筋肉、関節、神経などの総称であり、それぞれが連携して動いており、どれか一つが悪くても身体はうまく動きません。

大腿骨の骨折後に入院される患者様は、リハビリ職員によるリハビリを1日2~3時間実施しています。その他にも病棟では、車椅子の移動練習や、歩行練習、着替えやトイレ、入浴の練習など、リハビリ以外の時間にも日常生活の行動そのものが訓練になるように関わらせていただいています。

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例えば、手術後に手術した部位の関節がはずれてしまうリスクが高まる動作に注意が必要な場合があります。日常動作ではあぐらをかくこと、和式便器に座ること、低い椅子への立ち座り、しゃがむ動作、着替えなどに注意が必要な患者様には、一人一人にあった説明や対処方法を一緒に考え、入院中から退院後も安全に過ごせるようお手伝いさせていただきます。

また、手術後の痛みについては、体の位置を整えたり、温冷刺激で軽減を図ったりします。痛みの軽減が難しい場合には医師や薬剤師等と相談し、薬で軽減させることで、リハビリに集中して取り組めるようになる方もいらっしゃいます。

大腿骨骨折はもともと骨粗鬆症になっている方も多く、薬の確実な内服や1週間に1度の注射が必要になる方もいらっしゃいます。退院後の生活にあわせて、本人への内服指導や家族への指導を薬剤師と連携し、行うこともあります。

また、入院生活を安全に過ごしていただくために、話し合いや、危険個所がないか点検を行うこと、環境整備を行い患者様が安全に過ごせるように看護させていただいております。

受け持ち看護師が中心となり、患者さまの退院後の生活を考え、家族とも連携をとりスムーズに退院後の生活を送れるよう看護させていただきます。

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次回は中枢神経系の障害とリハビリ看護についてです。