運動器系の障害とリハビリ看護

梅雨も終わり、夏の日差しがまぶしい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

回復期リハビリテーション病棟は、脳血管障害や骨折の手術などのため急性期で治療を受けて、病状が安定しはじめた発症から1~2か月後の状態の時期に、集中的なリハビリを受けることで、低下した能力を再び回復するための病棟です。入院期間は疾患により決まっていますが、患者さま一人ひとりのリハビリテーションプログラムに基づいて、医療チーム一丸となり、医療看護を提供させていただいています。

今回は、運動器系の障害とリハビリ看護についてご紹介いたします。リハビリ病棟に入院される運動器の障害で最も多いのは大腿骨の骨折です。運動器と聞くと難しく感じるかもしれませんが、具体的には身体の運動に関わる、骨、筋肉、関節、神経などの総称であり、それぞれが連携して動いており、どれか一つが悪くても身体はうまく動きません。

大腿骨の骨折後に入院される患者様は、リハビリ職員によるリハビリを1日2~3時間実施しています。その他にも病棟では、車椅子の移動練習や、歩行練習、着替えやトイレ、入浴の練習など、リハビリ以外の時間にも日常生活の行動そのものが訓練になるように関わらせていただいています。

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例えば、手術後に手術した部位の関節がはずれてしまうリスクが高まる動作に注意が必要な場合があります。日常動作ではあぐらをかくこと、和式便器に座ること、低い椅子への立ち座り、しゃがむ動作、着替えなどに注意が必要な患者様には、一人一人にあった説明や対処方法を一緒に考え、入院中から退院後も安全に過ごせるようお手伝いさせていただきます。

また、手術後の痛みについては、体の位置を整えたり、温冷刺激で軽減を図ったりします。痛みの軽減が難しい場合には医師や薬剤師等と相談し、薬で軽減させることで、リハビリに集中して取り組めるようになる方もいらっしゃいます。

大腿骨骨折はもともと骨粗鬆症になっている方も多く、薬の確実な内服や1週間に1度の注射が必要になる方もいらっしゃいます。退院後の生活にあわせて、本人への内服指導や家族への指導を薬剤師と連携し、行うこともあります。

また、入院生活を安全に過ごしていただくために、話し合いや、危険個所がないか点検を行うこと、環境整備を行い患者様が安全に過ごせるように看護させていただいております。

受け持ち看護師が中心となり、患者さまの退院後の生活を考え、家族とも連携をとりスムーズに退院後の生活を送れるよう看護させていただきます。

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次回は中枢神経系の障害とリハビリ看護についてです。