膀胱留置カテーテルについて

今年の夏も暑い日が続きました。皆様体調を崩されていませんか。

今月は膀胱留置カテーテルの管理についてお話します。

 

膀胱留置カテーテルとは

ちょっと耳慣れない言葉ですが、長時間手術をする間や、ベッド上での安静が必要な時、トイレに行かれないので「おしっこの管を入れる」という話を聞いたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。

これは、膀胱から直接尿を出すために、尿道を通って膀胱に長期間入れておくカテーテル(医療用の細い管)の事です。尿はカテーテルの中を通って流出し、その先に接続された蓄尿袋に溜まる仕組みとなっています。

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膀胱留置カテーテルの適応

手術中や、安静期の排泄管理のためにカテーテルを入れた場合、安静が解除されると管は外れます。しかし、何らかの原因で、自然に尿が出せない場合にも膀胱留置カテーテルは使われます。

通常私たちは、尿意を感じてトイレに行き、排尿の体制をとると自然に尿が出てきます。しかし、その機能が障害され自然に排尿が出来ない事を排尿障害といいます。排尿障害になると、膀胱に溜まった尿が腎臓へ逆流し、尿路感染症や腎盂腎炎などの細菌感染を引き起こします。そのような時は、膀胱留置カテーテルで排尿をスムーズに行うケアが必要となります。

 

病棟における膀胱留置カテーテルの観察・管理

回復期リハビリテーション病棟では、おもに脳血管疾患や脊髄損傷の後遺症で、排尿障害のある患者様が膀胱留置カテーテルを使用しています。膀胱留置カテーテルを使用することで、膀胱からの尿の排泄は可能となりますが、尿が適切に流れているか、また、身体の中に管が入っている事による感染が起きていないか、随時観察し、管理をしています。

カテーテルの状態

 

屈曲、ねじれ、圧迫の有無

引っ張られていないか

皮膚の状態  

カテーテル挿入部の痛み、発赤の有無、

固定テープによるかぶれの有無

蓄尿バッグの状態  

膀胱より下の位置に保つ

床に接地しないようにする

 

特に当病棟では、リハビリのためにベッドから車椅子に移り、車椅子からベッドに戻る動作を行うので、その都度カテーテルの状態やバッグの位置を確認しています。また、尿量、性状、尿の流出状態、尿の混濁状態を見て、尿路感染が起きていないか観察します。そして、感染防止のため、入浴、陰部洗浄で毎日清潔を保ち、尿が停滞しないよう飲水を促していきます。カテーテルを定期的に交換することも重要で、4週間おきに交換しています。病棟ではこのように膀胱留置カテーテルの管理を行い、排尿障害のある患者様の入院生活を支えています。

 

在宅介護での膀胱留置カテーテル管理

膀胱留置カテーテルを挿入したままで退院する患者様もいらっしゃいます。その場合は、ご本人、ご家族にカテーテル管理の指導をしています。パンフレットを用いて、カテーテル留置中の注意点や、バックの管理、尿の破棄方法等をお伝えし、実際に必要なことを実践していただいています。退院前に実践することで、疑問や不安な点を解消して退院できるよう支援しています。

 

以上、膀胱留置カテーテルの管理についてお話させていただきました。

 

 

食事について

7月は、病院食についてお話しします。

病院の食事は、おいしくない・味が薄いと思われている方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

入院中の楽しみの一つの食事が満足できるよう、行事食の提供や、アンケート調査を1月と7月に実施をして、患者様からの声を窺っています。1月のアンケートでは、80%以上の方から満足しているとの回答をいただきました。
回復期リハビリテーション病棟では、主治医や看護師、管理栄養士、セラピストなどの多職種で患者様との関わりを持ち、患者様の疾患や内服、嗜好、食事の形、食べやすい食器などを考慮し、食事を楽しんでいただけるような工夫をしています。
しかしながら、患者様の疾患によっては塩分制限を行わなければならなかったり、検査データで栄養が足りていない場合は栄養補助食品を付加したり、毎食のお茶のみでは脱水傾向になる場合はイオンゼリーを足したり、飲んでいる薬によっては食べられない物があったり、嚥下の問題や麻痺によりペーストや刻みになるなど、患者様の希望通りだけではないのは事実です。
制限されている中で、少しでも満足が得られるよう、アンケートでの患者様の声を反映したり、間食なども主治医と相談しながら取り入れ、なるべく希望に添えるようスタッフで話し合いを行っています。

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患者様の中には、口からの食事が困難な方もいらっしゃいます。
口からの食事が困難な場合は、鼻から胃まで挿入されているチューブ(経鼻胃管チューブ)や、胃に直接挿入されているチューブ(胃瘻)で栄養を摂取されています。

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経鼻経管チューブや胃瘻での栄養摂取を行いながら、言語聴覚士による嚥下訓練を行い、口で食事が摂取できるようリハビリテーションを行っています。嚥下機能がなかなか上がらず、食事だけでは栄養が足りない場合は、経管栄養で栄養を摂取し、少しでも口腔から摂取が出来るようにスタッフで話し合いながら『食』を楽しんでもらえるように工夫しています。

退院後も食事に満足し楽しめるよう、管理栄養士による栄養指導や、作業療法士による調理訓練なども行っています。

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患者様とご家族様が退院後も食事の時間を楽しめるよう、スタッフ一同で支援させて頂いています。

「食べる力」は、「生きる力」とも言われます。元気な体づくりは毎日の食事をしっかり食べることから始まります。
これからも、病院の食事の時間が楽しみになるように、患者様の声に耳を傾け、工夫していきたいと思います。

福祉用具について~歩行補助具紹介~

照りつける日差しにも夏の気配が感じられるこのごろ、お変わりありませんでしょうか。
今回は福祉用具の紹介をします。

回復期リハビリテーションで病棟では、自宅退院後も歩行できるように、その人に合った歩行補助具の提案や歩行指導を実施しています。「歩く」ことは「筋力維持」「寝たきりを防ぐ」など、高齢者にとっては重要な意味を持ちます。歩行補助具を使用することで足・腰への負担軽減や痛みの軽減を図りその人らしい生活が送れるような支援を目指しています。

そこで今回は、当院で使用頻度の高い歩行補助具を紹介します。正しい使い方をご覧いただき、ご自宅での生活に役立てて頂ければと思います。

はじめに、骨折後や足腰に痛みがある際に使用されることの多い「歩行器」についてご紹介します。
歩行器の種類は下記をご参照ください。

歩行器の種類

続いて、日常生活では最も使用頻度が高く手軽に購入可能な「杖」についての紹介です。
足腰の筋力が低下し上手く歩けない方への「歩行の補助」、「足腰の負担軽減」を目的として使用されます。歩くことが不安な方への「不安解消」にも繋がります。
杖の種類は下記をご参照ください。

杖の種類

【杖の正しい持ち方】

杖を持つ手は「利き手?」「良い方の足側?」どちらで持つことが正しいのか悩むことがあると思います。
正解は、「ケガや麻痺、痛みが出ていない足側の良い方の手」で持ちます。
悪い方の足と反対の手で持つことで支持基底面が広がり安定します。

【握り方】

杖の支持性は握り方によっても大きく変わります。

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どの握り方が方正しく安定するでしょうか?

 

正解は・・・・Cです!

Aは手前を持ちすぎているため、力が伝わりにくく不安定になります。
Bは杖の向きが逆です。
Cのように人差し指を一本前に出して握りましょう。

 

【杖の高さ調節方法】

杖の高さによって歩きやすさや転倒リスクに大きく関わるので正しく設定しましょう。

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<簡単に高さを調節するコツ>
○手首の位置と握り手の位置を合わせましょう

 

 

 

 

 

歩行補助具は、福祉用具専門店やネットショッピングサイト、今では100円ショップでも取り扱っています。これから購入を検討される方は、できるだけSGマーク(SafetyGoods・安全な製品)が付いている製品を購入されることをお勧めいたします。SGマークは、一般財団法人製品安全協会が定める安全基準をクリアしていることを示しています。万一SGマーク付製品を使用中に、その製品の欠陥により、ケガなど身体的な損害を受けた場合に、その原因・被害の程度に応じ、賠償が受けられる製品です。

詳しくは、こちらの一般財団法人 製品安全協会のホームページをご覧ください。

https://www.sg-mark.org/about mark/

 

以上が歩行補助具の紹介と正しい使い方の説明になります。
もし、現在歩行補助具の検討中で迷っている方がいたらぜひ参考にしてみてください!!

 

回復期リハビリテーション病棟の概要について

風薫る爽やかな季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は当院の回復期リハビリテーション病棟の概要についてお話していきたいと思います。

 

急性期病院は、脳血管疾患や脊髄損傷、頭部外傷、大腿骨・骨盤骨折など、重大な病気やケガによって生命の危機的状況にある時に治療を受ける場所ですが、回復期リハビリテーション病棟は、急性期の治療を終え、自宅や社会に戻ってからの生活を少しでも元に近い状態に近づけるためのリハビリを専門に行う場所です。

 

 

それぞれの病院が持つ機能や役割により、入院期間やリハビリテーションの時間も異なります。

急性期病院では入院期間が約2週間~1か月、リハビリテーション時間は1日平均20~30分のリハビリテーションが受けられますが、「土日祝日は休み」という場合が多いです。

しかし、回復期リハビリテーション病院であれば、入院期間が約60日~150日、リハビリテーション時間は1日最大3時間のリハビリテーションが受けられ、365日、土日祝日も含めリハビリテーションを行います。退院後の生活を想定した集中的なリハビリテーションプログラムによって、より良い社会復帰・在宅復帰を目指します。1日のリハビリテーション時間や入院期間も長く、リハビリテーション専門のスタッフが在籍しているため、手厚いサポートを受けることができます。

 

 

当病院では専任医師1名、病棟看護師20名、看護補助者7名、理学療法士30名、作業療法士12名、言語聴覚士6名、専任社会福祉士、管理栄養士各1名がおり、最も高い病棟基準となる「回復期リハビリテーション病棟入院料1」を取得しています。また全国の在宅復帰率が平均78.6%の中、当院での2021年の在宅復帰率は93.2%と全国平均より上回る実績を残しています。今後もより多くの重症度の高い患者様を在宅復帰へ導くように、医療・看護・リハビリテーションサービスを提供しております。

現在、急性期病院に入院中で、在宅復帰に向け継続したリハビリテーションが必要な方や在宅復帰に関して不安がある方は、ぜひ当院をご検討ください。

在宅復帰に向けて一緒に頑張りましょう♪

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2021年度 3月ブログ

桜咲くこの季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。新しい生活、新しい目標に向かって走り出すにはぴったりの季節ですよね。

さて、2021年度、最後のブログを掲載致します。

2021年度、最後のテーマとして、当院回復期リハビリテーション病棟の目的と強みについてお伝えし、1年のまとめとさせて頂きます。

最初に回復期リハビリテーション病棟とは、急性期症状(脳梗塞や骨折の治療、手術後等)を脱した患者様が、病気となる前の状況に出来るだけ戻れるよう、「リハビリテーションを主体とした医療」を提供する場です。

回復期リハビリテーション病棟では、入院後、患者様の疾患や症状に応じて、医師がリハビリテーションの指示を出します。PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語療法士)の専門リハビリテーション職員が在籍し、担当の職員がリハビリテーションを提供します。在宅復帰に向け、患者様・ご家族様が希望される日常生活動作(ADL)に近づけ、在宅退院後も入院前と同様の生活を取り戻すことができるよう、更には、社会復帰ができるよう支援する事を目的とする病棟となります。

当回復期リハビリテーション病棟では、入院患者様・ご家族様が不安なく、安心して退院後も生活が営めるよう、医師・看護師・リハビリ職員・退院調整看護師・社会福祉士(MSW)・薬剤師・管理栄養士がチームで協働して支援をさせて頂いております。

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回復期リハビリテーション病棟では、個人の状況に合わせてスケジュールを作成し、日常生活を自立して行うことが可能となるように、援助をさせていただいております。

続いて、当院の強みについてご紹介します。回復期リハビリテーション病棟は、1日最大3時間のリハビリテーションを実施する事が厚生労働省により認められています。しかし、昨今の人材不足により、現状すべての施設において3時間のリハビリテーションの時間を実施できているわけではないようです。当院では、リハビリテーション職員が充実しているため、患者様の状況や症状に合わせてではありますが、1日3時間のリハビリテーションを提供しています。さらに、今までのブログでも掲載させて頂きましたが、在宅へ帰られる前に、家屋調査(理学療法士、作業療法士、病棟看護師がご自宅へ伺います。)を実施し、退院後の生活がイメージ出来るようにアドバイスをする場を提供しております。家屋調査を行っている近隣の病院は、殆どありません。

また、回復期リハビリテーション病棟は、骨折などの運動器疾患での入院は、90日(3カ月)脳梗塞などの中枢系疾患での入院は、150日(5カ月)、その他の疾患でも入院期間が決まっています。それぞれ個人差はありますが、これらのリハビリテーションの介入により、身体の機能や日常生活動作(ADL)の改善が見られています。退院先は、9割以上の患者様が在宅(在宅系の施設含む)、残りの1割の患者様は、独居生活が困難であり、介護が困難であるなどの理由から施設等に退院されています。

当病棟では、病気や怪我の種類は違っていても、多職種での連携・カンファレンスを密に行うことにより、対象となる患者様のリハビリテーションスケジュールを作成しています。例えば、病棟内歩行訓練、階段歩行訓練、スクワットなどや自主トレーニングも含まれます。リハビリテーションでは、PT(理学療法士)が、今までと異なる取り組みとして、麻痺がある患者様・運動器疾患で歩行障害がある患者様に、どの部分が障害されており、歩行に影響されているのかを専門的に把握するため、下肢筋電図波形を計測しています。

当院では、多くのリハビリテーションスタッフが介入し、実際の歩行状態の評価を行っています。さらに、最新技術を用いた筋電図により、影響されている部分を把握することで、個々に応じたリハビリテーションが実施出来るわけです。また、病棟でも看護師が、下肢筋力の増強や離床時や歩行時の耐久性の向上を目指し、リハビリテーション職員と連携し、病棟リハビリを実施しています。さらに、在宅へ帰られる患者様で、オムツ交換、更衣、体位変換等の介護が必要となった場合には、事前に看護師がご家族様へ家族指導(指導内容のパンフレットを作成し、お渡ししています。)を実施しています。コロナ禍ではあり、時間が制限されておりますが、ご家族様が手技を獲得出来るまで、ご家族様と日程調整を行い来院して頂き、指導をさせて頂いています。

退院時には、入院当初は歩行できなかった患者様が、自立して歩行することが出来るように回復された姿を見て、ご家族様が喜ばれる姿を多く見ることがあります。そんな嬉しそうな患者様、ご家族様の姿を見て私達スタッフも嬉しく感じます。

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退院後も継続したリハビリテーションをご希望される患者様、ご家族様は、2月のブログで紹介させて頂きました、訪問・通所リハビリテーションも行います。諸条件はありますが、入院中のみだけでなく、退院後も継続した介入が出来るよう取り組んでいます。

最後になりますが、急性期病院から在宅へ帰られる前に、当院リハビリテーション病棟に興味を持って頂けましたら、入院の制限はありますが、一度、当院へご連絡下さい。1年を通し、当回復期リハビリテーション病棟の紹介をさせて頂きました。閲覧して頂いた方々に感謝申し上げます。2022年度、ブログも乞うご期待下さい。