着替え(更衣)について

本年も残すところあとわずかになりました。年末の慌ただしい中、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

今回は「着替え(更衣)の方法について」お話します。

当病棟では脳血管疾患や整形外科疾患にて、障害や後遺症が残り動かしづらくなった患者様へリハビリテーションを行い、運動機能の向上・維持できるように支援を行っています。

リハビリの時間だけでなく、毎日身体拭きや1週間に2回行う入浴時に着替えのお手伝いをさせていただきます。全部を介助するのではなく、その患者様1人1人の動かしづらさの程度に合わせてご自身にやってもらうようサポートを行います。衣類を選ぶポイントとしては、着たり脱いだりしやすい衣類やゆったりと伸縮性のある衣類を選び、動かしづらい部位がある場合は着る時は患側(動かしづらい側)から着て、脱ぐ時は、健側から脱ぐようにします。靴下が履きづらい場合は、ソックスエイド390236918などの補助具を使用することで1人でも履けるよう練習していきます。

 

画像は商品販売案内より転載

 

整形外科で大腿部の骨折をして、人工骨頭を挿入された患者様の場合は手術方法によって股関節を動かしてはいけない向きがあり、これを禁忌肢位といいます。禁忌肢位をとってしまうと手術した部位がはずれてしまうことがあるため、入院中から禁忌肢位を取らないように着替えの練習をしていきます。

更衣

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自宅へ退院する患者様が自分で着替えができない場合には、ご家族に病院にお越しいただいて着替えの方法を練習し、安心して自宅退院ができるように支援致します。

退院後不安なく過ごせるように、入院中からご家族・患者様ご本人に支援をさせていただきます。

 

ご家族だけの介助が難しい場合は、サービスなどを利用して家族の方の負担を少しでも減らせるようにすることで、長く自宅での生活を送れるようリハビリスタッフなどの多職種と連携して考えていきます。

 

次回のブログは吸引方法についてです。

 

口腔ケアの方法について

日が暮れるのが一段と早くなり、朝晩の冷え込みに晩秋の訪れを感じるようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は『口腔ケアの方法について』お話させていただきます。

 

口腔ケア??

と聞いて、歯磨きを思い浮かんだのではないでしょうか。
実は、歯磨きのことだけではないのです。

 

口腔ケアとは、歯磨きなどで口の中をきれいに保つだけでなく、健康保持や口腔機能向上のためのリハビリなどを含んだ幅広い内容のことを言います。
虫歯や歯周病など口腔内のトラブル予防だけでなく、健康的な日常生活を送るために口腔ケアは重要なものとされています。

 

口腔ケアには2種類あります。
●器質的口腔ケア
口の中を清潔に保つためのケアのこと
→うがいや歯磨き、義歯や舌の清掃のことです。

●機能的口腔ケア
口腔機能を維持すること
→口の中や口周りのマッサージ、飲み込む力を鍛えるトレーニングやリハビリのことです。

 

 

みなさんは、“健常者と要介護者の口腔内の違い”をご存じですか?

健常者の場合・・・
唾液の分泌がよく歯磨きもしっかり出来るので、病原性の高い細菌が増えにくい傾向にあります。

要介護者の場合・・・
口の動きが不十分で唾液が出にくくなり、歯磨きも満足に出来ないため、病原性の高い細菌が急激に増えてしまいます。その菌が気管や肺などに入り込むと、誤嚥性肺炎や心疾患などの病気を引き起こす場合があります。

口腔内を清潔に保ち、細菌が増えにくい環境を整えることが重要となるため、さまざまな理由で介護が必要な方も口腔内を清潔に保ち、トラブル予防のために、私たちスタッフが介入し、毎食時に口腔ケアを実施しています。
そこで、介護を必要とする方への病棟で行っている口腔ケアの方法についてお話しさせていただきます。

 

 

【片麻痺がある方の場合】
自分で歯磨きは行えても、片腕が動かず、歯ブラシに歯磨き粉を付けることができな
い方へは、歯磨きが行えるようにセッティングをし、環境を整える介助をします。

 

【寝たきりの方の場合】
自分では歯磨きやうがいができないため、ブラシやマウスケアスポンジ、ウェットシートを使用して、口腔内を清潔にします。
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【認知症、高次脳機能障害がある方の場合】
疾患により歯磨きをする一連の動作ができない場合は、声掛けをしながら、出来るところは見守りをし、出来ないところの介助を行います。また、飲み込みの機能が低下し、水分にトロミ剤を使用している方へは、うがいの際に誤ってコップの水を飲みこみ、むせこんでしまう危険性があるため、うがい用の水にもトロミ剤やストローを使用する場合もあります。

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このように、毎食時にかかせない口腔ケアは、それぞれの疾患や状態に合った口腔ケアの介入を行い、口腔内の清潔の保持や口腔内の機能向上に努めています。

 

口腔ケアの基本となるのは、毎日のうがいや歯磨きをはじめとしたセルフケアです。
しかし、生活に手助けが必要な方や寝たきり生活の方など、自分の力だけでは十分なケアを行うことや、口腔内の衛生状態を良好に保つことが難しいため、介護者によるサポートが重要です。

美味しい物を、美味しく食べられるように、しっかり歯磨きを行いましょう(^o^)

12月は『更衣方法について』です。お楽しみに!!

内服自己管理について

空が澄み清々しい秋を感じる頃となりました。皆様どうお過ごしでしょうか。

今回の特集は、「内服自己管理について」です。
薬物療法は、決められた方法に従ってこそ最大の効果を発揮します。
飲み忘れのないように、しっかりと管理することが大事になってきます。
薬の飲み忘れを防止し、在宅での内服管理の工夫についてお話していきます。

まずは、患者様が一人で薬を服用できるかどうか、視力、聴力、認知力の状態、手指の緻密性、飲み込みの状態など身体の機能や日常生活動作などから評価します。
服用時に、
①薬包を破ることが出来る。
②薬を薬包から取り出すことが出来る。
③薬物を口の中に入れる事が出来る。
④ムセ込まずに飲み込む事が出来る。
といった①~④の動作が落薬や飲み残しなく正確に飲めるかを評価し、
必要に応じて、下記の対策を行います。
①手で破ることが出来なかった場合、ハサミを使用する。
②手のひらに薬を出すのが難しい場合、薬杯カップを使用し、カップに薬を入れる。
③1度に服用する薬が多い場合、錠数を確認し1回で口の中に入れることが出来るかを決める。
④水分を摂る時にムセてしまう場合、トロミを付けて飲みやすくする。
これらの対策を行い、お薬を安心安全に落薬や飲み残しなく正確に飲めることを評価します。

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             薬杯             左手用のハサミ         お薬錠数表

 

続いて服用している薬が把握出来ているか確認します。
・服薬の目的が理解できているか
・服薬量が理解できているか
・服薬方法が理解できているか
・一日の服薬回数が理解できているか
理解が不十分な所にアプローチしていきます。
薬剤師からの説明や薬の錠数表を作成し薬の錠数を把握する。

それでは、服薬管理を正しく行うための工夫を紹介していきます。
 

薬を一包化にする

メリット

・薬の飲み忘れを減らすことが出来る。
・容量や用法を間違えにくい。
・手が不自由で薬を取り出す事が難しいという方に便利である。

デメリット
・薬の名前(種類)が分かりにくい。
・お薬の変更、追加には調整が必要である。
・長期で保管はできない。

薬を何種類も飲んでいる場合は、医師に相談し一包化の処方をしてもらいます。
院外薬局の場合は、「一包化」対応が可能です。院内薬局の医療機関の場合は、「一包化」できない事が多いようです。今の時代は、医薬分業の時代であり、医師と薬局が協力して薬を処方します。少々の費用負担が発生しますが、メリットの方が上回ります。

内服薬の一包化

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    内服薬の一包化                      お薬カレンダー

 

お薬カレンダーを使用する

メリット
・曜日や時間ごとにセットすることが出来るため、
飲み間違えや飲み忘れを減らすことが出来る。
・飲み終わった袋を戻すことで、薬を服用出来たか確認しやすい。
・残薬を確認しやすい。
・本人管理・家族管理がしやすい。
・目に入りやすい場所に薬を設置する事で本人の意識付けがしやすくなる。

デメリット
・現在の月や時刻など基本的な状況把握が必要である。
・曜日がずれた場合、どこから開始すればよいか分からなくなることがある。
・仕分け作業に手間がかかる。
・ご本人が取り出す場合に生活環境によっては転倒リスクを起こすことも考えられる。
 

1日分の薬を毎日セットする

メリット
・毎日セットするため、飲み忘れや飲み違い(日付間違い)を減らすことが出来る。
・毎日飲み忘れがないか確認することが出来る。

デメリット
・薬のセットは、誰が行うかが問題になってしまう。

家族にタイミングを見計らって電話をしてもらい、

服薬を促してもらう

朝や昼など家族が不在時の場合でも食後のタイミング見計らって電話をしてもらいます。
促すことで服薬できる場合もあります。服薬での病状コントロールを行うため規則的に
服薬する事が重要です。疾患や認知力、身体機能、療養環境により服薬管理の方法は様
々です。

当回復リハビリテーション病棟では、退院後の内服管理方法が習得できるように本人・
家族にあった服薬管理方法を多職種で検討し退院支援を行っています。医師に相談し、薬の回数を減らしたり、家族のいる時間帯に飲む時間を変更したりなど工夫をしています。服薬管理には、本人・家族・多職種との協力・連携が不可欠となります。
体調を維持し在宅生活を続け、効果的な服薬管理を行い長く安定して安心安全な生活を送る事が出来るように、訪問ヘルパーさん、ディサービスの方々の協力を得ることをお勧めします。

オムツ交換方法について

今年も暑い日が続き、やっと秋らしくなってきました。
病棟スタッフも夏バテせずに、何とか乗り越えました。

さて、今月のブログは退院支援の一つであるオムツ交換についてです。
回復期リハビリ病棟から在宅へ退院するときは、嬉しさの反面、これからのご自宅での生活に不安や介護の悩みなどがあると思います。
私ども病棟スタッフは、その不安や悩みを少しでも軽減できるように、時間をかけてサポートしています。

■オムツやリハビリパンツについて
テープ式紙オムツ・・・排泄時に介助を必要とし自分でトイレに行けない患者様。
リハビリパンツ・・・ 排泄時トイレに行けるが介助が必要な患者様。
布パンツ・・・    自力でトイレに行ける患者様。
おおまかに、入院している患者様の排泄状況によって、下記のように使い分けています。

■テープ式紙オムツについて
テープ式紙オムツは基本排泄時に介助が必要な患者様に使用します。また、日中は介助を受けながらトイレへ行き、夜間は介護者(家族)様の介護量負担を考慮してテープ式紙オムツにすることもあります。

■テープ式紙オムツのサイズの選び方について
お尻のサイズを参考に選び、お腹とテープ止めの間に手の平が入るくらいのゆとりがあると良いです。また、太ももと紙オムツの間に指一本分の隙間があるか確認してください。サイズの合わないテープ式紙オムツを使用すると痛みやかゆみ、漏れが発生してしまいます。

■テープ式紙オムツの当て方について
①  ベッドに患者様が寝ている状態で行います。
②  テープ式紙オムツを一度しっかり広げ、ギャザーを伸ばします。この時一緒に使用するパッドも広げ、パッドのギャザーも伸ばしておきます。

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(横漏れしにくく、体に合います)

③  テープ式紙オムツのギャザーの内側にパッドを広げます。
④  患者様に横向きになってもらい、テープ式紙オムツのセンターライン(中心線)を背骨の中央に合わせます。テープ式紙オムツの上側が腰より上にくるように、下図のようにテープ式紙オムツを広げて置きます。

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⑤  患者様の体をゆっくりと仰向けにします。④と逆向きになってもらい反対側のテープ式紙オムツを引き出します。パッドを当て、ギャザーを足の付け根に沿わせます。テープ式紙オムツのギャザーを同様に足の付け根に沿わせます。
※ テープ式紙オムツのテープを止めます。(センターライン(中心線)が体の中心に合わせます。身体が細い方やオムツのサイズが大きい時には、テープをクロスさせて貼ります。

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■男性用パッドの当て方について
筒の先端となる方を3センチくらい折ります

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左右を巻きます。(漏れないように男性性器にかぶせます)

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■テープ式紙オムツの注意点について
・ テープ式紙オムツのギャザーからパッドがはみ出ていないか。
・ 足の付け根、お尻、太ももに隙間ができていないか。(指一本分以上の隙間)
・ 尿や便で皮膚が赤くなっていないか、かゆみが出ていないか。(皮膚の観察)
尿や便が漏れていないか(尿量、便の性状)パッドやテープ式紙オムツの確認
・ もし、尿や便が漏れていたり、皮膚が赤くなっていたら、パッドの種類やオムツのサイズを変えたり、パッドの交換回数を増やしたり、医師に相談して軟膏を処方してもらいましょう。

■パッドの種類について
尿量が夜間特に多い患者様用(6回分対応):夜間まめに取り換えられない場合や介護者様の夜間の負担を減少する場合。
尿量が多い患者様用(4回分対応):皮膚が赤くなりやすい場合又は尿意がある場合。
尿量が少ない(日中)患者様用(2回分対応):尿意がある場合。
便が緩い(水様便)患者様用
リハビリパンツ用貼るパッド、布パンツ用貼るパッドがあります。
病棟では患者様の体型、尿量、便の種類で使い分けています。
また、テープ式紙オムツやリハビリパンツ、パッドは、患者様の体型、尿量、便の性状や日常生活動作(どのくらい動けるのか)、皮膚の発赤の有無などを日々評価し、変更しています。

在宅への退院が決まると、病棟スタッフから必要な退院支援を開始します。ご自宅で用意して頂きたい物品として、防水シーツ(布団全体でなくても、腰から膝の上くらいまで覆える大きさで大丈夫です。)、お尻拭き、ドレッシング、ソース、マヨネーズ用ボトル入れ物(便で汚れた時にお尻や陰部を清潔に保つために、温めのお湯(40度くらい)を入れて洗うための容器)などがあります。

■オムツ交換の退院支援として
介護者(家族)様の生活時間の把握をし、介護者(家族)様の就寝時間、何時にパッド交換ができるのかを伺いパッドの種類を考え、入院中に漏れや皮膚の発赤などができないか評価し、介護者(家族)様へお伝えします。
実際に介護者(家族)様へオムツ交換について指導を開始して行きます。数回病棟ご来院いただき、実際にオムツ交換を行って頂きます。
私ども病棟スタッフは、退院後の患者様と介護者(家族)様がオムツ交換についてイメージできるように声掛けし、質問にも答えられるように心がけて行っています。

また、病棟にはエリエール社アテントの「オムツの正しい使い方、選び方、当て方」の知識を研修で学び、習得をしたオムツマイスターが 5名在籍しています。また、オムツフィッターも2名在籍しています。我々、病棟スタッフや介護者(家族)のオムツに対する問題を解決してくれる力強い味方です。
このような、オムツの選び方やオムツ交換の仕方、注意点などを、ご家族様が在宅に向け「出来る。大丈夫」という自信に繋がるまで支援していきます。

図については、エリエールホームページより転載。

膀胱留置カテーテルについて

今年の夏も暑い日が続きました。皆様体調を崩されていませんか。

今月は膀胱留置カテーテルの管理についてお話します。

 

膀胱留置カテーテルとは

ちょっと耳慣れない言葉ですが、長時間手術をする間や、ベッド上での安静が必要な時、トイレに行かれないので「おしっこの管を入れる」という話を聞いたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。

これは、膀胱から直接尿を出すために、尿道を通って膀胱に長期間入れておくカテーテル(医療用の細い管)の事です。尿はカテーテルの中を通って流出し、その先に接続された蓄尿袋に溜まる仕組みとなっています。

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膀胱留置カテーテルの適応

手術中や、安静期の排泄管理のためにカテーテルを入れた場合、安静が解除されると管は外れます。しかし、何らかの原因で、自然に尿が出せない場合にも膀胱留置カテーテルは使われます。

通常私たちは、尿意を感じてトイレに行き、排尿の体制をとると自然に尿が出てきます。しかし、その機能が障害され自然に排尿が出来ない事を排尿障害といいます。排尿障害になると、膀胱に溜まった尿が腎臓へ逆流し、尿路感染症や腎盂腎炎などの細菌感染を引き起こします。そのような時は、膀胱留置カテーテルで排尿をスムーズに行うケアが必要となります。

 

病棟における膀胱留置カテーテルの観察・管理

回復期リハビリテーション病棟では、おもに脳血管疾患や脊髄損傷の後遺症で、排尿障害のある患者様が膀胱留置カテーテルを使用しています。膀胱留置カテーテルを使用することで、膀胱からの尿の排泄は可能となりますが、尿が適切に流れているか、また、身体の中に管が入っている事による感染が起きていないか、随時観察し、管理をしています。

カテーテルの状態

 

屈曲、ねじれ、圧迫の有無

引っ張られていないか

皮膚の状態  

カテーテル挿入部の痛み、発赤の有無、

固定テープによるかぶれの有無

蓄尿バッグの状態  

膀胱より下の位置に保つ

床に接地しないようにする

 

特に当病棟では、リハビリのためにベッドから車椅子に移り、車椅子からベッドに戻る動作を行うので、その都度カテーテルの状態やバッグの位置を確認しています。また、尿量、性状、尿の流出状態、尿の混濁状態を見て、尿路感染が起きていないか観察します。そして、感染防止のため、入浴、陰部洗浄で毎日清潔を保ち、尿が停滞しないよう飲水を促していきます。カテーテルを定期的に交換することも重要で、4週間おきに交換しています。病棟ではこのように膀胱留置カテーテルの管理を行い、排尿障害のある患者様の入院生活を支えています。

 

在宅介護での膀胱留置カテーテル管理

膀胱留置カテーテルを挿入したままで退院する患者様もいらっしゃいます。その場合は、ご本人、ご家族にカテーテル管理の指導をしています。パンフレットを用いて、カテーテル留置中の注意点や、バックの管理、尿の破棄方法等をお伝えし、実際に必要なことを実践していただいています。退院前に実践することで、疑問や不安な点を解消して退院できるよう支援しています。

 

以上、膀胱留置カテーテルの管理についてお話させていただきました。